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成約ストーリー

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イワキ株式会社
代表取締役 瀬戸口 智
(東京都/医薬品卸売業)
“縁”が結び付けた理想的な出合い
最適な事業承継と、両社が描く未来
買収を検討なさったきっかけを教えてください。
<瀬戸口氏>
当社の親会社にあたるアステナホールディングス株式会社では、策定・推進しているグループビジョンを実現するひとつの手法として、M&Aに積極的に取り組んでいます。また、当グループには化粧品原料を取り扱う部門があること、そして、韓国コスメの輸入販売や自社企画マスクの販売、化粧品の通信販売を行う関連会社も傘下にあることから、事業構造改革の一環として、化粧品ドメインへの投資を強化したいという考えがありました。そのタイミングで、エムレイス担当者から、当社・当グループとのシナジー(相乗効果)が見込める企業(アインズラボ社)の紹介があったことがきっかけです。
譲渡を検討なさったきっかけを教えてください。
当社は、2010年に化粧品輸入代行業者として設立しました。会社経営は初めてでしたが、前職での経験を活かしながら基盤を整えた結果、事業は軌道に乗りました。しかし、安定した事業基盤は構築できたものの、輸入代行事業特有の取扱高及び売上高の変動が課題となっていました。元々、許認可を保有する当社に輸入を任せていただいていた顧客が、ある程度輸入量が多くなると、自社で許認可を取得して、当社を介さずに輸入しはじめてしまう傾向があります。そのため、せっかく新規顧客が増えても、その一方で取引が終了してしまう顧客も発生してしまうことで、なかなか売上高が安定せず、堅調に売上を伸ばすことができずにいました。
そこで、自社で小売を行うことを目的に、新たに通販ブランドを立ち上げたのですが、なかなか上手くいかず、大きな負担を抱えることになってしまっただけでなく、私自身も体調を崩してしまいました。その時に脳裏をよぎったのは「このまま私が倒れてしまったら、誰も後を継ぐ人がおらず、会社が存続できなくなる」「当社が事業を継続できないと、顧客の事業継続に甚大な影響を与えてしまう」という最悪なシナリオでした。そのような状況だけは、何としてでも避けたいと思いましたし、そのためには、私が不在でも会社・事業を問題なく運営できる体制、つまりは“経営及び人材面のバックアップ体制”を整える必要性を強く感じたことから、譲渡を検討するようになりました。
買収を決断した理由と、アインズラボ様への当時の印象をお聞かせください。
<瀬戸口氏>
決断した理由は、二つあります。ひとつは、先述したとおり、当社グループでも化粧品ビジネスを展開しており、事業の親和性が非常に高い点。もうひとつは、コンサル機能の拡充です。当社は医療機器の輸入代行ビジネスを行っており、アインズラボ社と同じようにクライアントに代わって許認可を取得し、輸入を行い、包装・保管も担います。当社では、それを「コンサルビジネス」と位置づけています。アインズラボ社は、扱っているモノが異なるだけで、機能的には同じでしたので、コンサル機能の拡充に繋がると感じた点も、決断の理由です。
また、阪口さんとお話しした第一印象が「非常に真面目で頭の良い方」だったのですが、それが対象会社の経営に表れていると感じました。当社は上場している企業グループであるため、加わっていただいた際には、上場企業特有のルールに合わせていただく必要があります。M&Aを行ううえで、その点が不安要素でしたが、阪口さんはコンプライアンス面などもしっかりと対応されていたので、安心してM&Aを進めることができました。
譲渡を決断した理由と、イワキ様への当時の印象をお聞かせください。
<阪口氏>
事業内容の親和性など、ビジネス面のシナジーがあることも当然ながら重要ではありますが、私が譲渡先を決定するうえで最も重要視したポイントは「当社の従業員や会社の雰囲気と合うかどうか」でした。私は、従業員を家族同然に思っています。自分の家族を他社に引き継ぐのですから、さながら娘を嫁に出す親の気持ちです。「合わない相手と一緒になって、結果的に不幸になってはいけない」という想いがありました。そのような想いをもって臨んだトップ面談。先方は瀬戸口社長と他2名で参加されたのですが、会話をする中で「当社の従業員と雰囲気が合いそう、譲渡しても従業員がストレス無く働き続けることができそうだ」と感じました。私は「従業員がストレス無く働き続けられることは、ひいては顧客のためにもなる」と考えていますので、トップ面談でそのように感じることができ、安心してイワキ社の傘下に入る決断をすることができました。
買収後の心境や、今後の展望をお聞かせください。
<瀬戸口氏>
今後は、互いの特長を活かしてシナジーを生み出していきたいと考えており、その第一歩として、アインズラボ社の営業力強化に取り組んでいます。当社グループが強みとしている機能性食品の企画提案力をアインズラボ社へ応用できるようになれば、顧客へのプレゼンスが高まります。その実現のために当社の営業部門・管理部門のメンバーを派遣し、シナジー創出に向けて動き出しています。また、阪口さんの業務改善や仕組みづくりに関する知識・経験・ノウハウ等を、当社の既存事業にも活かしたいと考えています。例えば、医療機器コンサル事業については、これまで極めてアナログな方法で業務フローやノウハウを管理してきてしまったため、会社の貴重な財産である「申請業務や輸入業務に関するノウハウ」が属人的な状態になってしまっていました。そこを仕組み化することにより、業務効率の向上・ノウハウの蓄積が可能となります。その他にも諸々構想はありますが、グループ化してまだ間もないので、取締役として残っていただいた阪口さんと共に、精力的に事業・組織の強化に取り組んでいこうと思います。
譲渡後の心境や、今後の展望をお聞かせください。
<阪口氏>
本件は、当社にとって幸せなM&Aとなりました。最大の目的である“経営及び人材面のバックアップ体制”を整えることができましたし、瀬戸口社長も当社の従業員と丁寧に向き合ってくださっているので、「この人を信じて良かった」と感じています。
現在、私は代表取締役を退任し、非常勤の取締役として引き続き当社の経営に関与しています。当面は瀬戸口社長に教わりながら、上場企業基準の決算体制の構築やコンプライアンス強化、バックオフィスの業務効率化などに取り組み、同時に後継者への引き継ぎ準備を進める予定です。目の前に課題が山積していて大変ではありますが、ここが踏ん張りどころですし、イワキグループの中でアインズラボの存在感を出せるように努めたいと思います。
M&Aを進めるにあたって、エムレイスの対応はいかがでしたか?
<瀬戸口氏>
実は、エムレイスの担当者とは、以前当社グループの関連会社を売却したときからの長い付き合いです。通常は案件がクロージングすると担当者とは疎遠になりがちですが、エムレイスの担当者はその後も定期的に連絡をくださり、当社にとって有益な提案や情報提供をしてくれていました。また、常に親身で、中立な立場で意見を言ってくれるので非常に信頼でき、これがM&Aアドバイザーとしてのあるべき姿だなと感じています。今回の案件についても、当社の事業(ビジネスモデル)や経営課題、今後の経営戦略などをよく理解したうえでの提案でしたので、当初からマッチングレベルがとても高い案件だと感じていました。もちろん、その後の条件交渉やクロージングサポートも丁寧にしてくださり、担当者の方には大変感謝をしています。今後も引き続き、弊社の発展にお力添えをお願いしたいと思っています。

<阪口氏>
最初から最後まで、非常に丁寧に対応してくださり、その姿勢は他社のアドバイザーとはまったく異なるものでした。別の機会に他社のアドバイザーとやり取りをした際に、「この担当者は、目先の利益しか見ていないのでは…」と感じる態度や発言を受けたことがありました。それは、その会社の報酬体系がインセンティブ制であったからかもしれません。これは後から聞いて分かったことではありますが、エムレイスは、インセンティブ制を採用していないとのことで、だからこそ、目先の利益を追いかける姿勢ではなく、どこまでも「本当に理想的な相手とのマッチングであるか」にこだわって考えてくれていると感じられましたし、担当者に対して信頼を置くことができたのだと思います。
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