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成約ストーリー

株式会社賃貸山信
代表取締役 中⼭ 忠信
(神奈川県/不動産賃貸管理業)
親族承継から第三者承継へ
英断により理想的なM&Aを実現
自社の事業承継についてはどのようにお考えでしたか?
元々は、私の息子に会社を引き継ぐ予定でした。私のかねてからの希望でもあったため、将来的な事業承継を見据えて、早くから息子を経営者として育成することに努めてきました。実は、私が70歳を迎える手前で、一度息子に経営を任せたことがあるのですが、当時は時期尚早だったのか、なかなか思うように経営ができず、数年で私が社長職に復帰することになりました。その後も息子に継いでもらいたいという気持ちは変わらず、何度も話し合いを重ねましたが、気がつけば会社を引き継げぬまま、あっという間に十数年が経過してしまったのです。幸いにも、体調面に問題も無く、80歳を過ぎても経営を続けることができましたが、会社の将来を考えると心労が絶えない状況が続いていました。もっと早くに承継を実現できていれば、時代の変化に迅速に対応して、ITを活用したサービスの提供や諸々の業務改善にも取り組むことができたのかもしれませんが、それも実現することは叶わず、「遅きに失してしまった」と後悔をしています。そのような思いもありましたし、これ以上は事業承継を先延ばしにすることはできない状況でもありましたので、第三者への事業承継を決意しました。
相手企業に対する当時の印象をお聞かせください。
大前提として、第三者へ譲渡するのであれば、私や社員が長年かけて築き上げてきた当社の事業をしっかりと引き継いだうえで、更に、私が実現できなかったことを成し遂げてくれるような「事業力」「経営ノウハウ」「資本力」がある会社が良いと考えていました。エムレイスから紹介された企業は、主力の事業では業界トップを誇る立派な上場企業であり、会社の経営基盤も盤石であることから、当社の大切な従業員や管理物件、顧客をお任せするうえで申し分ありませんでした。また、大手企業ならではのスケールメリットやITノウハウを活用したサービス提供など、当社では到底実現し得ない取り組みをなさっていたことも魅力的でした。先方のグループに加われば、きっと当社にも良いシナジーをもたらしてくれるだろうと、将来性を感じることができるお相手でした。
M&A後や現在の心境をお聞かせください。
私個人のことで言えば、長年ずっと抱えてきた事業承継問題が無事に解決し、ようやく肩の荷が下りたような気持ちといいますか、精神的にとても楽になりました。会社にとっても、新しい親会社の取り組みのおかげで「これまでなかなか実現できなかったこと」が少しずつ形になり始めると思いますので、今後が非常に楽しみです。「入居率の改善」「ITを活用した業務改善」「サービス拡充による顧客満足度の向上」など、親会社が提示してくれているこれからの具体的な取り組みに対して、とても期待をしています。正直なところ、M&Aを検討し始めた当初は「親族承継が叶わず、M&Aをする他に選択肢が無くなってしまったから」という、決して前向きとは言えない心境で臨んでいました。しかし結果的には、地域密着型にこだわって経営してきた当社のビジネスモデルを評価してくれる良い相手と出合うことができましたし、そのおかげで更なる事業成長ができる環境が整ったわけですから、当社にとって本当に良いM&Aになったと感じています。これで当社も上場企業の一員となったので、これから上場企業の基準に合わせた社内体制へ移行させる必要があり、そのプロセスでは社員たちにも少し苦労をかけるとは思いますが、微力ながら私も顧問として関わりながら、スムーズな引き継ぎに協力したいと思います。
M&Aを進めるにあたって、エムレイスの対応はいかがでしたか?
実は、一番最初にエムレイスの担当者にお会いした後も、まだ親族承継を検討・模索していたので、一度はM&Aの話をストップしていました。普通なら、そういった状況になると「M&Aをする気は無いのだな」と判断されて、担当者からの連絡も途絶えてしまうことが多いと思うのですが、エムレイスの担当者はその後も足繫く当社に通い続けてくれて、当社の事業承継問題のことをずっと気にかけてくれていました。あの時、なかなか方針が定まらない私に根気強く付き合ってくれたことには、とても感謝をしています。そしていよいよ私が第三者への事業承継を決意した後は、私がイメージをしやすいように具体的なM&A後のビジョンや取り組みなどを詳しく話してくれたり、デューデリジェンスや契約手続きなどの重要な局面でもきめ細かくフォローをしてくれたりと、最後まで安心して交渉を任せることができました。エムレイスの担当者と初めて出会ってから2年半。時間がかかったものの、こうして良いM&Aで私の経営者人生を締めくくることができたのは、良いアドバイザーに巡り会えたからだと思っています。
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