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成約ストーリー

株式会社イー・エフ・エス
代表取締役 根本 久雄
(千葉県/一般管工事業)
従業員承継の道が絶たれ
廃業の危機に陥った状況から叶えた“信念”のM&A
譲渡を検討なさったきっかけを教えてください。
私にはかねてより、「70歳になったら仕事を引退して、残りの人生を謳歌したい」という人生設計がありました。そのためには経営者たる私の後継者が必要ですが、私には娘しかおらず、会社を継ぐ意思も無かったため、社内の役員を後継者候補として事業承継の準備を進めていました。そのため、私が64歳の時に、エムレイスから「第三者へ譲渡することを検討しませんか」と提案を受けていましたが、その提案は一度お断りしていました。
しかしその約3年後、私が67歳のときに状況が一変したのです。社内に対して、その役員が次期社長になることを公表したうえで事業承継に本格的に取り組み始めたのですが、いざ取り組んでみると、経営者としての資質が備わっていないことが明らかになり、その後継候補の役員に経営のバトンを渡すことに不安を覚えるようになりました。最終的には「後継者としてふさわしくない」と判断せざるを得ず、社内承継を断念するに至ったのです。その結果、当社を存続させるために私に残された選択肢は、第三者への承継のみとなりました。「このまま事業承継が上手くいかずに廃業してしまっては、従業員や取引先に迷惑をかけることになってしまう。それだけは何としても避けたい」という思いがありましたので、これまで幾度も提案をしてくれていたエムレイスに依頼し、株式譲渡を前提とした事業承継の道を模索することにしたのです。
相手企業に対する当時の印象をお聞かせください。
T社長には、お会いした当時から「経営者として優れていらっしゃる」という印象を持ち、同グループとなった今でも同じように感じています。経営者としての人付き合いが非常に上手で、その手腕により会社を成長させたという実力がひしひしと伝わってまいります。また、今回会社を譲渡するにあたり、当社、当社の従業員、取引先のことを尊重してくれたことも非常に有り難く感じています。譲渡する条件として、「社名を残す」「社員の待遇の維持」「取引先との取引継続」を希望していたのですが、すべてを受け入れてくださったのです。実は、T社の他にも面談を行った会社が複数あるのですが、中にはこれらの条件は一切認めない、という企業もありました。T社は事業面でのシナジーが見込めるということはもちろんのこと、T社長の人柄の良さと、当社や従業員、取引先を尊重し受け入れてくださることが何よりも有り難く、安心して譲渡ができると感じました。
M&A後や現在の心境をお聞かせください。
まずは、無事に譲渡先が見つかったことに安堵しています。社内承継を公表した矢先にその承継計画が白紙撤回になってしまったことで、従業員には不安を感じさせてしまっていたことと思います。しかし今は、私にとっても従業員にとっても理想的な事業承継相手が見つかったことで、会社の将来や雇用継続が保証されることとなり、とても安心しています。また、事業面においても、T社と一緒になったことで工事の対応可能範囲が広がりましたので、取引先からの要望にもこれまで以上にお応えすることができるようになります。その点でも、今後が非常に楽しみです。しかし、譲渡してからまだ半年余り(インタビュー当時)ですから、当社とT社との連携強化において取り組むべき課題は山積しています。これが私の「最後の仕事」だと思っていますので、両社が真の意味で“ひとつの会社”となれるよう、引き継ぎを含めて励みたいと考えています。
M&Aを進めるにあたって、エムレイスの対応はいかがでしたか?
当初、当社の事業承継問題について相談をした時、私の「社内承継をしたい」という思いを否定することなく、気持ちを汲んだ対応をしてくださり、嬉しく感じました。その後一度お断りをしたにも関わらずずっと当社のことを気にかけてくださっていたので、いざ譲渡をしようと決意した際には、迷いなくエムレイスに依頼することにしたのです。結果的に、初めからご提案いただいていたT社に譲渡することになったのですが、社内承継に向け動いていた約3年間の空白期間があったにも関わらずご縁を結ぶことができたのは、エムレイス担当者がいてくれたからだと感じています。普通だと、3年も空いてしまうと相手の状況や気持ちも変わり、再検討いただくのは困難だと思います。しかし、エムレイス担当者が私の思いや会社の状況を的確に先方に伝え、しっかりと繋いでくれたからこそ、今回の譲渡が実現しました。「“仲介”としての役割を見事に果たしてくれた」と、感謝しています。
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