MENUCLOSE

成約ストーリー

株式会社クマモト
代表取締役 熊本 和浩
(京都府/玩具・雑貨の卸売業)
玩具問屋が同業者を買収
業界が理想と評したベストマッチング
譲渡を検討なさったきっかけを教えてください。
<熊本氏>
私は父から会社を継いでから、毎年、前年度よりも売上を伸ばすことを大事にして経営に取り組んできました。また、信頼できる社員の働きもあり、安定した業績を残すことができていたので、玩具業界が先細りし、小さな規模の同業者が倒産していく中でも、不安はありませんでした。そのため、「M&Aで譲渡する」という選択肢は私の頭の中に全くなかったのです。しかし、業歴を重ねていくうちに、二つの不安が生まれました。ひとつは、自身と社員の高齢化です。安定した経営を続けてきましたが、気がつくと、私は50代半ばで、主力の社員も50代後半になっていました。「このまま若手の主力社員を育てることができなければ、安定した事業の継続が難しくなってしまう」と考え始めたのです。ちょうどその頃、銀行や知人から「M&Aで企業を買収しないか」という話を幾つも持ちかけられていました。結果的に買収には至らなかったのですが、その際に話をしたほぼすべての会社が「社長がいないと成り立たない」という状態でした。そこでふと「自分の会社はどうだろう?もし私が事故や病気で突然いなくなってしまったら、会社は回るのだろうか。取引先や従業員に迷惑をかけてしまうのではないか」と考え、不安にかられました。これが二つ目の不安です。すでに高齢化が進んでおり社員へ事業承継をすることは難しく、親族承継の選択肢もありませんでしたので、この頃から「M&Aでの譲渡」を頭の片隅で考えるようになりました。
買収を決断された理由を教えてください。
<中村氏>
クマモトさんが譲渡を検討していると知ったときは、大変驚きました。これまで、交流を重ねる中で社内制度についての相談を周囲にしている、ということは知っていましたが、事業継承に悩んでいることなど知る由もありませんでしたし、経営状況が良いことも知っていたので、譲渡する理由がないと思っていました。
きっかけは、エムレイス担当者からの手紙でした。日頃から、数多くのM&A仲介会社からDMや電話でアプローチがありますが、ほとんどがサービストークで、信憑性に欠けるものでした。そんなある日、事務の担当者から「いま受付でお手紙を預かったのですが…。」と、一通の手紙を受け取り、その内容は当社と同業の企業の買収提案でした。当時、成長戦略の一環としてM&Aによる買収は選択肢にありましたが、正直なところ同業の買収は全く考えておらず、買収するのであれば、メーカーや販売店を買収したいと考えていました。ところが、手渡しされたその手紙を読み「これはホンモノの話なのかもしれない」と思い、一度、エムレイスの担当者と会うことにしたのです。そして話を聞き、その「買収対象の同業」がクマモトさんであることを知りました。
その事実に驚くとともに、「正直、同業の買収は想定していなかったが、あのクマモトさんが譲渡を考えているということであれば、誠実に、真剣に検討しなければならない」と感じたことを覚えています。
熊本社長の堅実な経営は知っていたので、譲り受けることに不安はありませんでした。また、もしこのまま譲渡先が見つからず、後継者不在のため廃業してしまっては、未来ある若手社員の将来も失われてしまいます。私も従業員の育成には力をいれていることもあり、そのようなことはあってはならないと感じました。経営面で見ても、クマモトさんは大手子供服チェーン店と深い取引があり、事業の大きな柱となることも確信していたため、譲り受けることを決めました。
石川玩具様への譲渡を決断した理由を教えてください。
<熊本氏>
石川玩具さんとは、元々仕事上での関わりはなく、私が情報収集のために参加していた協会での集まりや、見本市で顔を合わせる程度でした。なかなか深く話す機会はなかったのですが、ある時思い切って中村社長を食事にお誘いしました。正直、私と中村社長の性格は正反対です。しかし、お話した当初から「経営方針に関しては波長が合う」と感じていました。表面の性格は真逆ですが、お互いに堅実なところや社員を大切に思う気持ちは共通しており、好印象だったことを覚えています。一方で、私にはない「業界のトップになりたい」という熱い一面もお持ちで、はっとさせられると同時に、それもまた魅力に感じました。その後も、食事を重ねたり、野球観戦にお誘いいただいたり、交流を深めていく中で、中村社長に対して「こんな素晴らしい人がいるのか」という思いを抱くようになりました。
その頃、経営についてなどの相談をしていたL.I.G Partners株式会社の足立さんから、「M&Aもひとつの選択肢として考えてみては」とご提案をいただきました。その提案を聞いたときに、真っ先に中村社長の顔が浮かんだのです。中村社長の経営者としての力量や人柄がとても魅力的であったことはもちろんのこと、周囲の社員の方々も皆優秀で、「組織としての強さ」を感じていたことも理由です。例えばとある食事会で、中村社長や他の社員の方々と話をしていた際、私が中村社長に対して質問をすると、同席していた社員の方が回答したのです。それも1名ではなく、その場にいた5~6名の社員が、今後の経営に関する内容について次々と回答をしてくれました。もし、逆の立場であれば、私が自分で回答してしまっていると思います。私の周りにも優秀な社員はいますが、石川玩具さんはその優秀な社員の人数が多く、「これが会社の“組織”というものなのだ」とカルチャーショックを受けました。また、石川玩具さんは京都に支店を構えており、もし当社が買収されたとしても社員の環境変化が少なく、当社よりも規模の大きい会社の一員となれば社員も安心するのでは、とも考えました。これらの理由から、「譲渡するのであれば、ぜひ石川玩具さんに」と思っていました。そこから、L.I.G Partners株式会社の提携先であったエムレイスを紹介していただき、M&Aのお相手として中村社長にお会いするようになったのです。
買収後の心境や、今後の展望をお聞かせください。
<中村氏>
今回のM&Aを経て驚いたのが、当社の従業員、取引先、同業他社など様々な方から「クマモトさんの譲渡先が、石川玩具で良かった」というお声をいただいたことです。同業なので業務面のシナジーがあるのは当然ですが、会社や社員同士の相性が良く、周囲からも祝福されるほどのM&Aとなり、大変嬉しく思います。熊本社長が長年育て上げた会社、社員を引き受けましたので、今後さらに伸ばせるよう、尽力しなければなりません。当社の既存事業に対して、クマモトさんの事業が新たな柱として加わりましたが、それに留まることなく、さらなる事業拡大を図りたいと考えています。事業を拡大することで新たに増えるポジションに若手社員を積極的に登用し、社員の成長をサポートするなど、これまで以上に人材育成にも力をいれていきたいと思います。会社は、「人」によって成長することができます。クマモトさんの真面目で明るく、優秀な社員の皆さんは多くの可能性を秘めていますので、石川玩具としてできることは、精一杯取り組みたいと思います。
譲渡後の心境や、今後の展望をお聞かせください。
<熊本氏>
現在、経営の引き継ぎのために相談役として引き続き経営に参画していますが、非常に楽しく仕事に取り組んでいます。これまで長年、自分がトップとして会社を牽引してきて、外部のコンサルタントや税理士に相談することはあれど、経営について自分と対等に話す相手は社内にはいませんでした。現在は、中村社長を始め、本気で腹を割って話せる相手がいて、これまでとは違う楽しさ、やりがいを感じています。正直なところ、会社を譲渡した当初は、「長年育ててきた自分の会社を売ってしまった」という悲しい気持ちもありました。社員に譲渡を決断した事実を伝えた際にも、私と同じように悲しみを感じ、中には涙を流す社員もいました。しかし、石川玩具さんのグループ企業として新たなスタートを切った後、社員は非常に安心することができたようです。石川玩具さんの取り計らいもあり、社名や勤務地が変わらず、これまでの環境そのままに社員が勤務することができていること、そのうえ、規模の大きな会社の一員となり、会社の将来性に期待を持てていることが理由だと思います。石川玩具さんは、クマモトが5年10年かけても実現できないような掛率や、取引条件、業界内や銀行に対しての信頼を築いており、それを共有できるようになることは、とても心強いことです。当社の後継者問題は、社員も少なからず感じていて、社員から「社長、後継者はどうされるのですか?」と聞かれることもありました。その点でも、社員を安心させることが出来て私も本当に良かったと感じています。石川玩具さんであれば、安心して社員を任せることができます。
とは言え、「会社を譲渡して終わり」ではありません。これまでになかった経験値や信頼がクマモトに加わったため、今後は「売上を落とさないことは当然のこととして、むしろ伸ばしてやろう」という気概で、中村社長とともに励んでいきたいと思います。
M&Aを進めるにあたって、エムレイスの対応はいかがでしたか?
<熊本氏>
私は当初、「M&Aで会社を譲渡するのであれば、なるべく高く買ってもらいたい」と思っていました。そんな中でお会いしたエムレイスの担当者はとても物腰が柔らかいので、「果たしてこの人は当社を高く売ってくれるのだろうか?」と思っていました。しかし、その担当者の話を聞くうちに「価額だけが全てではない」ということに気付かされました。私の中で最も重要だったのは、社員です。できる限り社員に負担をかけることなく、事業の引き継ぎを成功させることが最優先であると気付かせてくれたことには心から感謝をしています。
また、実は会社を譲渡しようとなった当初は、「会社を売らなければならない状況にしてしまった」と自分を卑下していました。「M&Aで譲渡する」ということにマイナスなイメージしかなかったのです。しかし、エムレイスやL.I.G Partners株式会社の足立さんと話していくうちに、だんだんと「会社を売ることは悪いことではない、むしろ社員や取引先にとってプラスになることなのだ」と前向きに捉えるようになりました。私が指名した石川玩具さんと引き合わせてもらい、その結果、私にとっても社員にとっても理想的なM&Aが実現したのですから、本当に良い仕事をしてくれたと感じています。

<中村氏>
まず第一印象は、「一生懸命」ということです。これまでもM&A会社の方にはたくさんお会いしてきましたが、皆どこか自分の業績が頭にあるような感じで、「M&Aアドバイザーはこういう人の集まりなんだな。」という印象がありました。しかしエムレイスの担当者はそういった考えが微塵も感じられず、弊社のことも一生懸命考え、対応してくれました。
また、物腰柔らかく提案してくれるので、M&Aに対するハードルが下がった一方、鋭い指摘をいただくこともあり、「M&Aのプロである」と感じることもできました。時には、交渉が必要な場面で、弊社から「こう言われたら嫌がるだろうな」というような厳しい言葉を伝えることも度々ありましたが、それに対して完璧な返答をされるので、さらに信頼を置くことができました。
結果的には、クマモトさんを譲り受けて本当に良かったと感じています。交流のあるクマモトさんの後継者不在という危機を救うことができましたし、エムレイスから提案されたとおり、さらなる事業拡大も期待できます。半信半疑だった私を、諦めずに粘り強く説得し、うまくまとめてくれたからこそだと思っています。きっと他の担当者であれば、違う結果になっていたと思うので、本当に感謝しています。
一覧に戻る
TOP